海外クラブはサッカー専用スタジアムを持っている
サッカーは世界中に普及しているスポーツであり、それぞれの国内リーグでは試合ごとに多くの観客がスタジアムに詰めかけます。
ところで、そのスタジアムですが、ヨーロッパや南米のようなサッカー先進地域と日本を比べると、ある違いに気づきます。それは、日本では陸上競技のトラックを持つ多目的スタジアムが多いのに対し、海外の場合はサッカー専用スタジアムで試合が行われることが多いという点です。
このような違いが生まれた理由は、スタジアムの所有者にあります。日本の場合、多くのスタジアムは地方自治体が所有しています。つまり公金をもって設置されているわけで、当然ながら多くの住民が受益者となれるよう、効率的な運営が求められます。そのため、サッカーの試合がない日は遊ばせておくというわけにもいかず、ほかの競技にも利用できるような設計になりがちなのです。
これに対して、海外の場合はクラブ自身がスタジアムを所有していることが多いため、必然的に最初からサッカー専用スタジアムとして建設されるのが一般的なのです。
では、なぜ海外クラブがサッカー専用スタジアムを所有できるのかというと、これはやはり伝統の力と言わざるを得ません。Jリーグがスタートしたのは20世紀も終わりに近づいた1993年のことですが、海外では早いところではすでに19世紀の終わりごろにプロサッカーチームが誕生しています。その分だけサッカー文化が地域に根付いており、クラブが自らスタジアムを所有することに対する市民の要望が高いのです。